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「内装工」のお仕事とは?職人の技術が光る仕上げの美しさ

  • 原状回復工事について
「内装工」のお仕事とは?職人の技術が光る仕上げの美しさ

内装工は、施主の目的や空間イメージに合わせた材料を使いながら室内を美しく仕上げていく仕事です。建築やリフォームにおいて欠かせない存在であり、部屋の中の壁から床・天井、設備に至るまで、内装のほとんどが内装工によって仕上げられています。
今回は、内装工の仕事内容ややりがい、内装工になるための方法についてご紹介します。

【目次】
1. 内装工とは?
2. 内装工の仕事内容
3. 内装工のやりがいと向いている人
4. 内装工になるには?
5. 職人として一生役立つ内装工のスキルを身に付けよう

内装工とは?

建物に関する仕事というと、建築士や大工をイメージする人が多いかもしれません。しかし、建物の内装の仕上がりに大きく携わっているのは、「内装工」と呼ばれる仕事です。

内装工とは、建物の最終仕上げである内装工事を行う職人のことを指します。内装の仕上がりは、建物内の雰囲気やクオリティを左右するため、建築やリフォームにおいて大きな役割を果たします。新築工事やリフォーム時だけではなく、賃貸マンションやアパートの原状回復を行う際にも内装工事が必要です。

内装の方法は材料やメーカー、色などによって多岐にわたり、建築基準法や消防法により使用する材料や施工の仕方も変わってくるため、それぞれが専門領域に分かれています。例えば、壁紙を専門とするクロス職人や、ボード張りを専門に行うボード張り工など、内装と一言でいってもさまざまな分野があります。
内装工は、そうした内装に関する専門分野をすべて行うことができる仕事です。

内装工の仕事内容

下地作りや塗装、床や天井の仕上げなど、内装工の幅広い仕事内容について見ておきましょう。

●床仕上げ
一般住宅や各種施設などの床に基準線を引き、タイル・シート・じゅうたん・カーペット・クッションフロア・畳などを敷き込んでいく作業です。継ぎ目が見えないように床材を張ったり、決められた線からズレないようにしたりといった技術が必要とされます。

●天井仕上げ
天井に、専用の石膏ボードを張って仕上げる作業です。吸音性能のあるボードが使用されることも多くあります。

●ボード張り
天井や壁などに、下地の上から石膏ボードを張る作業です。必要に応じて、耐水ボードの使用やボードの2枚張りなども行います。クロスを綺麗に張るために、欠かせない作業です。

●クロス
ボードを張った壁や天井の上から、ビニールクロスや織物クロス、紙クロスなどの壁紙を張っていく作業です。シワを伸ばしながら、決められた場所に真っ直ぐに張っていく技術が必要です。

●塗装仕上げ
目的に応じた塗料を使用し、室内の壁やドア、天井などに塗装を施す作業です。材質などに合った塗料を使い、ムラなく仕上げることが求められます。

●鋼製下地組立
鉄骨材で作った骨組みの上に建材を張り、天井や壁の下地となる部分を作る作業です。内側から建物を支える、大切な役割を担っています。

内装工のやりがいと向いている人

さまざまな現場に出向き、建物の仕上がりを担当する内装工のお仕事。内装工のやりがいと向いている人についてご紹介します。

●内装工のやりがい
内装工は、仕上がりが目に見えてわかるので達成感があり、人々の暮らしや生活環境に影響を与える大切な仕事です。内装は、工事の中でも最後に行われる作業のため、美しさや見た目が重要です。そのため、美的感覚や空間判断力に優れた人は、その能力を仕事で活かすことができます。

●内装工に向いている人
内装工は、ほとんどが手作業のため、細かい作業が苦にならない手先が器用な人が向いています。空間に合った材料を使い、完成度の高い仕上がりを求められるので、インテリアやデザインが好きな人にも適しているといえるでしょう。

また、内装の現場は数名のチームで担当することがほとんどです。そのため、他のメンバーと協力して作業を行うチームワークや、作業を効率的に進めるコミュニケーション能力が求められます。
材料などの重いものを運んだり、長時間の作業を集中して続けたりできる体力や忍耐力、時間内に作業を終える手際の良さも必要です。

内装工に必須の資格や免許などはないため、これまで建設業に就いたことがない人であっても、興味とやる気があれば未経験からスタートすることができます。

内装工になるには?

内装工の仕事に興味がある人のために、内装工になる方法やキャリアアップについてご説明します。

●内装工に必要な資格
内装工は技術を求められる仕事ですが、目指すにあたり、年齢、性別、学歴などの制限はありません。求人の中には、フリーターや他の職種の経験者など、内装の未経験者が応募できるところも数多くあります。ただし、自動車免許は必要になることが多いので、持っていない人は早めに取得しておきましょう。
内装工の作業現場は、一戸建てやマンションのほか、病院、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、学校、オフィスビルなどさまざまです。最初はベテランの先輩の指導を受けながら補助的な作業を行い、慣れてくるにしたがって徐々にいろいろな仕事を行うようになるのが一般的です。未経験から仕事を始められるのは、先輩の指導をしっかり受けられるという点が理由です。

●内装工になる方法
一般的に内装工になる方法は、2つあります。
1つ目は、職業訓練校で基礎を学んでから、内装工事の会社に勤める方法です。職業訓練校では内装工の仕事に必要な知識を基礎から学ぶことができるため、技術が身に付くのが早いといわれています。職業訓練校への入学は、管轄のハローワークから申し込みが可能です。

2つ目は、内装工事の会社に入ってから見習いとして技術を学ぶ方法です。雇用形態にこだわらずアルバイトから入社して、現場で仕事を教わりながら正社員を目指すというパターンです。一通りの技術を習得して一人前の内装工になるまでには、入社後3~5年程度かかるとされています。

●内装工のキャリアアップ
内装工としてキャリアアップしたい人には、実務経験を積み、国家資格である「内装仕上げ施工技能士検定」の資格取得を目指すという選択肢があります。試験は共通科目である学科試験と、「プラスチック系床仕上げ工事作業」「鋼製下地工事作業」などの6つの作業から選ぶ実技試験があります。
会社によっては、資格取得のための費用を一部負担してくれるところもあります。資格を取得することは、内装工の技術を習得していることの証明となるだけでなく、仕事の幅を広げていくためにも役立つでしょう。
将来的には、現場の進捗管理や他の内装工への指示などを行う、現場管理業務に就くというキャリアパスもあります。

また、内装工は、独立開業を目指せる職種です。そのためには、内装工事会社でさまざまな経験を積むことが大切です。ハウスクリニックでは、未経験者の方を最短期間で確実に独立させるための育成プログラムを実施しています。「独立を目指して技術を身に付けたい」という人は、検討してみてはいかがでしょうか。

職人として一生役立つ内装工のスキルを身に付けよう

内装は目に見える形で残るため、ミスのない熟練の技術が欠かせません。内装工の技術の優劣によって、建物の仕上がりが決まるといっても過言ではないでしょう。自分が手掛けた内装が、建物の使いやすさ、住みやすさ、快適さを決めるわけですから、責任が大きく、やりがいのある仕事といえます。
若いうちに内装工の技術を身に付ければ、年齢を重ねても働き続けることができ、将来は独立も目指すことができます。建設業の経験がない人でもスタートできるため、「一生もののスキルがほしい」「長く働ける職人を目指したい」という人は、内装工の仕事について調べてみてはいかがでしょうか。