COLUMNコラム
2017年05月01日
リフォームでキッチンを快適に!目的・費用から選ぶリフォームの形
- ハウスクリニックコラムリレー
入居者の生活に欠かせないスペースのひとつ、キッチン。キッチンリフォームは、使用する素材や形などによってかかる費用が大きく異なります。入居者の家族構成などを考慮した上で、使いやすさを意識した導線やレイアウトを決めましょう。
今回は、リフォーム時のキッチンの選び方や、快適なキッチンリフォームのポイントについてご紹介します。
【目次】
1. 人気のキッチンからリフォームを考える
2. 目的から選ぶキッチンリフォーム
3. 費用から選ぶキッチンリフォーム
4. 快適なキッチンリフォームのポイント
5. 入居者の目的に合ったキッチンリフォームを成功させよう
人気のキッチンからリフォームを考える
入居者が「使いやすい」「作業がしやすい」と感じられるキッチンリフォームを行うために考えておきたいポイントを見ておきましょう。
●導線を考えた間取りにする
キッチンリフォームで重視すべきことのひとつに「導線」があります。キッチンは毎日の食事の準備や後片付けなどで、家の中でも利用頻度の高い場所です。そのため、間取りに合わせてキッチンの形を変えるなど、使いやすさを意識した導線設計を工夫すると良いでしょう。
●備え付けの収納を増やす
単身者向けの物件なら大きな収納スペースは必要ありませんが、子供も含む家族の場合は、調理器具や食材のストック、人数分の食器類などがたくさんあって、キッチンに収まりきらないことがよくあります。ファミリー向け物件の場合は収納箇所やスペースを増やすなど、キッチンがモノで雑多にならないようなリフォームがおすすめです。
●エコ機器に交換する
光熱費を節約したいというターゲットへ向けて、熱効率の高い給湯器などに交換するというキッチンリフォームの方法もあります。従来よりも月々のガス代をカットできるなど、家計へのメリットも大きくなります。
●お手入れがしやすい
調理中の油がはねたり、食材がカウンターにこぼれたりして、キッチンは家の中でも特に汚れやすい場所です。熱に強いステンレスや汚れを落としやすい人工大理石・ホーローなど、毎日のお手入れがしやすい素材を選びましょう。
目的から選ぶキッチンリフォーム
キッチンリフォームは、入居者や物件のタイプなどに応じて最適な仕様が異なります。入居者のターゲット別に、適したキッチンリフォームを選びましょう。
●ファミリー物件向け
ファミリー物件の場合は、「家族と過ごす時間」を重視したキッチンリフォームがおすすめです。独立したキッチン部分とリビング・ダイニングスペースをつなげたレイアウトにすることで、料理中や片付け中でも常にリビングの様子を確認できるため、小さな子供がいる家族でも安心して利用できます。
●長期賃貸、高齢者物件向け
高齢の入居者向けの物件や長期賃貸を前提とした物件の場合は、将来のことを考えたキッチンリフォームが良いでしょう。例えば、座ったまま調理ができるようにシンクをやや低めに設定する、火の消し忘れ防止機能をつけるなど、年齢を重ねても安全で快適に使える工夫をすることがポイントです。
また、調理時のサポートや入居者が車椅子を使用することになった場合などを想定し、キッチンスペースが狭過ぎないかどうかも、あらかじめ考慮しておく必要があります。
●エコ物件向け
自分たちが住みやすいだけでなく、環境に優しい、省エネ性の高い設備を備えたエコ住宅・エコマンションも話題です。エコ物件は環境に優しいだけでなく節約にも効果があるため、幅広い層から注目されています。
光熱費を節約するためのキッチンリフォームには、水の使用量を削減できる節湯水栓や手をかざすと水が出てくるタッチレス水栓などのエコ機器への交換、IHクッキングヒーターを導入してオール電化にするなどの方法があります。
費用から選ぶキッチンリフォーム
システムキッチンの価格は、メーカーだけでなく素材や設備などによって変わります。例えば、間口が狭くコンパクトなキッチンであれば価格は安くなり、間口が広くてパーツや素材にこだわったキッチンであれば、高額になります。
●システムキッチンの価格の目安
システムキッチンの価格の相場は、本体のみで約45万~130万円程度です。さらに、キッチンリフォームの際には本体価格に加えて、キッチンの交換や配管工事などの費用が約20万~40万円程度必要になることも考慮しておきましょう。
●素材の違い
「ステンレス」は、熱や水に強く、比較的リーズナブルな価格のため、キッチンの素材としてよく使われており、オールステンレスのシステムキッチンなども人気です。ただし、細かい傷がつきやすいというデメリットがあります。
一方、ステンレスと比べると価格は高くなるものの、傷や汚れに強い素材としては、御影石などを使用した「人工大理石」があります。
システムキッチンのグレードは、天板のほか、シンクやワークトップなどに使う素材によっても異なります。グレードが高いシステムキッチンは、人工大理石を使用していたり、収納部分が木製になっていたりと、素材にこだわって作られています。
●レイアウトの違い
<I型>
調理スペース、ガスコンロ、シンクなどを一直線に並べた、最もシンプルな基本のレイアウトです。価格が安く、あまり広くない間取りの物件にも設置しやすいというメリットがあります。価格の目安は、約50万~120万円程度です。
<L型>
シンクやガスコンロなどが「L」の形に並んだレイアウトです。設置にはややスペースが必要ですが、調理中の導線が短くなるなど使い勝手が良いというメリットがあり、収納が多いのも特徴です。価格の目安は、約65万~130万円程度です。
<対面型(アイランドキッチン)>
ワークトップが広く、作業スペースを確保しやすいレイアウトです。他のタイプと比べて価格は高めですが、リビングやダイニングを見ながら調理や後片付けができるため、ファミリー向けの物件に適しています。価格の目安は、約70万~160万円程度です。
快適なキッチンリフォームのポイント
入居者に満足してもらうキッチンにするため、事前にリフォームのポイントを押さえておきましょう。
●ワークトップや収納の高さを確認する
キッチンリフォームを行う場合は、ワークトップの高さに注意して設計を行うようにしましょう。ワークトップが低すぎると、調理の際に腰を丸めるなど無理な姿勢を取らねばならず、使いづらさを感じてしまいます。逆に、高齢者はワークトップが高すぎないほうが使いやすくなります。入居者のターゲットを考慮して、ワークトップの高さを決めましょう。
また、上部にある収納が入居者の手の届く高さに設置されているかどうかも大切です。踏み台などを使っても届かない高さの場合、いくら十分な収納スペースであっても使い道がなくなってしまいます。
●導線を確認する
キッチンリフォームを考える際、デザインを重視し過ぎると、入居者が実際に使うときに不便に感じてしまうことがあります。設計の際は、調理や後片付けのしやすい導線を確認しておきましょう。
●家電製品などが置けるスペースを確保する
冷蔵庫や食器洗い洗浄機など、家電製品を置けるスペースをキッチンに確保しておくこともポイントです。スペースが十分にないと、置ける家電製品が限定されます。入居者がある程度自由に家電を選べるようなスペースを残しておくと良いでしょう。
●信頼の置けるリフォーム会社に依頼する
キッチンリフォームを成功させるためには、信頼できるリフォーム会社を選ぶことが大切です。リフォーム会社を決める際は、サービス内容、過去の事例や実績、アフターフォロー対応のほか、予算に見合った提案をしてくれるかどうかを確認しましょう。複数のリフォーム会社に相見積もりを取り、いろいろな角度から検討することをおすすめします。
入居者の目的に合ったキッチンリフォームを成功させよう
キッチンに求める入居者の希望は人それぞれです。「最低限の設備があれば良い」と考える人もいれば、「十分なワークトップや収納が欲しい」と考える人もいます。単に、キッチンのデザインや設備にこだわるだけでは、使いにくいと感じる人もいるでしょう。入居者の暮らしに合わせた、実用的なキッチンリフォームを成功させましょう。