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エアコンを掃除しよう!フィルターの手入れから内部クリーニングまで

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エアコンを掃除しよう!フィルターの手入れから内部クリーニングまで

暑い夏は冷房、寒い冬は暖房と年間を通して使用する機会が多いエアーコンディショナー。室温の調整に欠かせない便利な家電ですが、長く使用していると吹き出す風から嫌なニオイがしたり、設定温度になかなか達しなかったりすることがあります。
その大きな原因のひとつが、エアコン内部の汚れです。エアコンは、使用を続けていると内部にホコリが溜まり、中でカビが繁殖することもあります。
今回は、ホコリの溜まりやすいフィルター掃除と内部の本格クリーニングの方法をご紹介します。

【目次】
1. エアコンの汚れを放っておくとどうなる?
2. こまめにお手入れ!フィルターの掃除方法
3. 本格的なエアコンクリーニングの方法
4. エアコンを掃除するときの注意点
5. エアコンクリーニングで快適な環境を保とう!

エアコンの汚れを放っておくとどうなる?

エアコンの汚れをそのまま放置しておくとどうなるのでしょうか?特に、カビ臭いニオイがしたら要注意。深刻な問題が発生する危険性があります。

●エアコンの効きが悪くなる
エアコン内部やフィルターにホコリやカビなどの汚れが溜まると、運転のスピードやパワーが落ちてしまいます。さらに、汚れによって空気を冷却するファンや風を送るファン、フィルターなどの働きが悪くなると風力が極端に弱まるため、設定温度に達するまでに時間がかかり、エアコンの快適さを感じにくくなります。

●多くの電力を消費する
汚れのせいでエアコンの効きが悪くなり、設定温度に到達するのに時間がかかると、正常な状態よりも多くの電力を消費してしまいます。それでは高性能なエコ家電を使用していても、省エネにはならず、電気代が高騰します。

●嫌なニオイがする
エアコンは室内の空気を吸い込み、内部のファンを通して空気を冷風や温風に変えて室内に吹き出しています。空気を吸い込むときに室内のカビやホコリ、蒸発した汗、タバコ、食べ物、油、ペットのニオイなども一緒に吸い込んでしまうため、内部に汚れが溜まり、風を吹き出したときに悪臭がするようになります。
冷房や除湿運転中は、空気を冷やすためエアコン内に結露が付きます。ホコリが溜まったままでは内部の水分とホコリが結合してカビが発生しやすく、カビ臭いニオイがした場合はすでにカビが発生している可能性があります。

●健康への悪影響がある
エアコン内部にカビが繁殖してしまうと、エアコンを稼働したときにニオイだけでなく、カビ菌を含む空気が室内へ放出されます。室内にカビが生える原因になるだけでなく、カビ菌を含む空気を人が吸い込むと、体調不良やアレルギーを引き起こす危険性もあります。カビには呼吸器官に深刻な健康被害を引き起こすものもあり、注意が必要です。

こまめにお手入れ!フィルターの掃除方法

エアコンの中でも特にホコリが溜まりやすい箇所が「フィルター」です。簡単な掃除方法をご紹介しますので、こまめに手入れしましょう。

●フィルター掃除の目安
日常的にエアコンを使用する時期は、掃除機でホコリを吸い取るだけの簡単なフィルター掃除を2週間に1回を目安に行いましょう。さらに、月1回はフィルターごと水洗いをして、完全にホコリを落とすことをおすすめします。

●用意するもの
新聞紙、マスク、軍手かゴム手袋、掃除機、中性洗剤、フィルターをこするもの(ブラシや古い歯ブラシなど)

●フィルター掃除の手順
1. 外側のエアコンカバーを開け、フィルターをエアコンに付けたまま掃除機をかける
掃除機をかけずにそのままフィルターを外すと、フィルターに付着したホコリが舞い散ってしまいます。エアコンカバーの内側にもホコリが付着しているので、こちらも吸い取っておきましょう。

2. 外したフィルターのホコリを掃除機で吸い取る
広げた新聞紙の上にフィルターを置いて、掃除機をかけます。ホコリはフィルターの外側に付いているため、外側から掃除機をかけましょう。フィルターの内側から吸ってしまうと、外側に付着したホコリがフィルターの目に詰まってしまいます。

3. フィルターを水洗いする
月に1回は、浴室のシャワーなどで流水をかけてホコリを洗い流しましょう。汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤を使い、古い歯ブラシなどの柔らかいブラシで擦り洗いをすると、フィルターの目に詰まったホコリも、水洗いでキレイに落とすことができます。
ブラシでの擦り洗いとシャワーでのすすぎは、掃除機で吸い取る際とは反対にフィルターの内側から行います。外側からでは、ホコリが目詰まりを起こしてしまうためです。

4. フィルターを陰干しする
水洗いしたあとは、水をしっかり拭き取って、完全に乾くまで陰干しします。

本格的なエアコンクリーニングの方法

フィルター以外の見えない箇所にも、汚れは溜まっています。年に1回は、エアコン内部まで本格的にクリーニングすることをおすすめします。

●掃除する箇所
<冷却ファン>
フィルターの奥にある冷却ファンは、室内に送る空気の温度をコントロールする熱交換器です。冷却ファンが汚れていると熱効率が落ち、エアコンの効きが悪くなるため、電気代にも影響が出ます。

<クロスフローファン>
冷却ファンで作られた温風や冷風は、クロスフローファンが回転することで室内に送り出されます。

●内部掃除の目安
フィルターほど頻繁に掃除する必要はありません。春や秋などエアコンをあまり使用しない時期に、年1回を目安に掃除すれば良いでしょう。部屋の環境によっては2~3年に1回や、逆に部屋の空気が汚れがちな場合は掃除のタイミングを早めるなどして、内部の汚れ具合を確認するようにしましょう。
見た目で汚れがはっきり見えなくても、嫌なニオイがしてきたら掃除のタイミングです。見えない部分にカビが繁殖しているかもしれません。

●エアコンクリーニングの手順
<冷却ファンの掃除>
1. エアコンカバーとフィルターを外す
冷却ファンが見えるように、エアコンカバーとフィルターを外します。

2. ブラシでこする
冷却ファンに水と塩素系洗剤を混ぜたもの(水8:洗剤2)を霧吹きなどで吹きかけるか、または市販のエアコン洗浄剤をスプレーし、冷却ファンのアルミ板に沿ってブラシで横にこすります。

3. 洗剤と汚れを洗い流す
霧吹きなどで水をスプレーし、洗剤や洗浄剤の泡、汚れなどをしっかりと洗い流します。市販のエアコン洗浄剤が残っていると内部がベタつき、故障の原因になりやすいので、水で洗い流すときにしっかり落とし切りましょう。

<クロスフローファンの掃除>
1. ルーバーを外す
クロスフローファンの掃除をしやすいように、風向きを調整するルーバーを外します。電気配線が露出していたら、洗剤や液体がかからないようにラップやビニール袋などでしっかりと覆いましょう。

2. 洗剤や洗浄剤をスプレーする
吹き出し口から奥にあるクロスフローファンに向かって、水と洗剤を混ぜたものかエアコン洗浄剤を吹きかけます。ドライバーなどの細い棒を使ってファンを回転させながら、クロスフローファン全体に洗剤や洗浄剤をスプレーしましょう。
綿棒などでファンの隙間をこすって汚れを落とすか、または30分程度洗剤を付けたまま放置して汚れをしっかりと落とします。

3. 洗剤と汚れを洗い流す
霧吹きなどで水をスプレーし、洗剤や洗浄剤の泡、汚れなどをしっかりと洗い流します。

水をかける際は、ホームセンターやガーデニング用品店で販売されている手動式の蓄圧式噴霧器が便利です。霧吹きでも代用可能ですが、蓄圧式噴霧器は連続して数分間噴射できるので、洗剤や汚れをしっかり落とせます。

エアコンを掃除するときの注意点

エアコンを掃除する際は、安全面で注意しなければならないことがあります。エアコンの機種によって取り外せる部位が違うこともあるので、取扱説明書を確認しながら慎重に作業を行いましょう。

●内部を掃除する前に、必ずコンセントを抜く
水や洗剤を使用するので、コンセントを抜かずに掃除すると漏電や感電などの事故につながることがあり大変危険です。コンセントがない場合や届かない位置にある場合は、ブレーカーを落としてから作業しましょう。

●電気配線はしっかりとシートで覆う
エアコンカバーを外すと、電気配線が露出している機器があります。万が一、液体類がかかってしまうと危険なため、必ずラップやビニールシートで保護してください。そのまま掃除すると、エアコンの故障や火災の原因になります。

●掃除後は送風で乾かす
エアコンの構造上、掃除後に冷却ファンやクロスフローファンの水分を完全に拭き取ることはできません。しかし、水分が残ったままにしておくと、故障やカビの原因となってしまいます。
そのため、掃除をしたあとは2時間ほど送風運転をして内部を乾かしましょう。カビは25度以上の環境になると発生しやすく、特に夏場は冷房を切った後に内部に結露ができることがあるので、より繁殖しがちです。掃除後以外でも、たまに送風運転で内部を乾燥させておくと、カビの発生や繁殖を抑えることができます。

エアコンクリーニングで快適な環境を保とう!

フィルターの掃除程度ならそれほどの手間ではありませんが、エアコン内部の本格的なクリーニングとなると大掛かりな作業です。しかし、エアコンが汚れたままでは、電気代が高騰する上、部屋全体の空気が汚れてしまいます。快適な空間を保つためにも、年に1回程度はエアコン掃除の日を設けてみてはいかがでしょうか。